Katarina Lab(カタリーナ・ラボ)
Katarina Labブログ

なぜ心理士の私が「中学受験」について書くのか

公開日 2026年08月18日

Katarina Labのブログに、「受験のメンタルケア」というカテゴリを作りました。
「トラウマケアのカウンセリングルームなのに、なぜ中学受験?」
と思う方もいるかもしれません。
実は、私にとってはこの2つ、そんなに離れた話ではありません。
私は心理士として、これまでいろいろな方のお話を聞いてきました。
その中で感じることがあります。
受験が終わって何年も経っているのに、そのときの経験が今の生きづらさに影響していることって、意外とあるんです。
「もっと頑張れと言われ続けた」
「結果を出したときだけ認めてもらえた気がする」
「第一志望に落ちたことを、ずっと失敗だと思っている」
「親をがっかりさせたと思っている」
「自分は期待に応えなければいけないと思うようになった」
もちろん、受験をしたらトラウマになる、なんていう話ではありません。
楽しかった人もいるし、「頑張ってよかった」と思える人もたくさんいます。
でも、そのときにはただの“受験の思い出”だと思っていたことが、ずっと後になって心に影響していることもある。
私は心理士として、そんな場面を見てきました。
だからこそ、受験の「その後」まで含めて考えたいと思っています。

受験期って、親子ともに結構しんどい

中学受験って、たぶん想像している以上に長いです。
模試の結果。
クラスの昇降。
過去問。
併願校。
「このままで大丈夫なの?」
「もっとやらせたほうがいい?」
「やめたほうがいい?」
親も迷います。
子どもだってしんどい。
でも、意外とそのしんどさを相談する場所がありません。
子どもがつらそうでも、
「このくらい受験生なら普通なのかな」
と思ってしまう。
親自身が限界でも、
「みんな頑張っているんだから」
「親が弱音を吐いちゃいけない」
と思ってしまう。
そして親子だけで、どんどん煮詰まっていく。
私はここに、もう少し**「メンタルの専門家に相談する」という選択肢があってもいい**と思っています。
病気になってからではなくて。
親子関係が壊れてからでもなくて。
「最近ちょっとしんどいんだけど」
くらいで相談してもいい。
むしろ、そのくらいがいいと思っています。

塾とは、ちょっと違う役割をしたい

もちろん、受験について一番詳しいのは塾だと思います。
どの学校にどのくらいの偏差値が必要なのか。
過去問をいつから始めるのか。
この成績ならどこを受けるのか。
塾は、勉強のプロであり、受験のプロです。
そこは私はかないません。
というか、そこをやるつもりもありません笑。
私が伝えたいのは、別のところです。
私は実際に中学受験をした子どもの親でもあり、心理士でもあります。
だから、
「この状況で、子どもにはどう声をかけたらいいんだろう」
「親の不安を、どこまで子どもに見せていいんだろう」
「本人は続けたいと言っているけど、本当に大丈夫?」
「撤退するって、逃げることなの?」
「第一志望に落ちたとき、どう受け止めたらいい?」
そんな、偏差値表には載っていないところを一緒に考えたいと思っています。
勉強の方法ではなく、メンタルに特化して。
そこなら、私にもできることがあると思っています。

中学受験は、人生のゴールではありません

当たり前なんですけど。
中学受験は、人生のゴールではありません。
……でも、真っ最中にいると、これを忘れやすいんですよね。
第一志望に受かることが、ものすごく大きなことに見える。
その学校に入れるかどうかで、この先の人生まで決まってしまうような気がする。
親も子も、視野がぎゅーっと狭くなってしまうことがあります。
でも、受験が終わったあとにも人生は続きます。
中学校に入って。
高校生になって。
大学生になって。
大人になります。
そして親子関係も続きます。
だから私は、
「受かったか、落ちたか」だけで中学受験を終わらせてほしくない。
と思っています。
どんな結果になったとしても、
「あのとき頑張った」
「自分で決めた」
「途中で方向を変えたけど、それも自分には必要だった」
「失敗したと思ったけど、そこから別の道を選べた」
そんなふうに、その経験をこれから生きていく力に変えてほしい。
中学受験の結果は変えられません。
でも、その経験を自分の人生の中でどう意味づけていくかは、その後も変わっていきます。
これは、トラウマケアにも少し似ていると私は思っています。
起きた出来事そのものを消すことはできない。
でも、その出来事を背負ったまま苦しみ続けるのではなく、
「あれも自分の人生のひとつだった」と思えるところまで持っていくことはできるかもしれない。
私は中学受験についても、そんな視点を伝えていきたいと思っています。

「受験しなければよかった」にしてほしくない

第一志望に受かったとしても。
違う学校に進んだとしても。
途中で受験をやめたとしても。
私は最終的に、
「あの受験があったから、今の自分がいる」
と本人が思えたらいいなと思っています。
もちろん、受験中はそんなきれいな話ばかりじゃありません。
親もイライラする。
子どももやりたくないと言う。
模試の結果に一喜一憂する。
親子で大げんかする日もある。
そんなものだと思います笑。
だから、完璧な受験を目指したいわけではありません。
ただ、
受験の結果よりも、その子の人生のほうがずっと長い。
そして、受験よりも親子関係のほうがずっと長く続く。

これは、ときどき思い出してほしいと思っています。
ここでは、受験テクニックではなく、
「こんなとき、親はどう考えたらいい?」
「子どもの心では何が起きている?」
「撤退するのってあり?」
「親自身の不安と、子どもの不安をどう分ける?」
そんな話を書いていこうと思います。
勉強のことは塾の先生に聞いてください笑。
私は、受験する親子の“心のところ”を担当したいと思っています。
 

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